その肩にちょっとは重みをかけてよい? 今日はなんだか荷物が重くて
頬なでる風は心地よさを増してマスクの似合う季節になった
あの時にひりひり感じた瀬戸際はあんがい調整自在だったり
怖いのは知らず知らずにこの気持ちが痩せ細っていくそんな想像
君に明日おすすめの本を貸すけれどまだCDは貸し借りしない
もう隅においやりたい記憶だけれど今も心に息づいている
スーパーで秋刀魚にしようと決めて夜あっという間にちょっぴり焦げた
フルートをともに奏でるような仲にいつかなりたいいやきっとなる
角っこをついつついたりしたくなるけど天然の笑顔にがまん
たとえばさあなたが選挙に出馬するとしたら断然応援するよ
電車降りて二年参りに向かう夜手をつないでた明治神宮
すぐそこに広がる樹海と噴火口ゆらりぐらつき踏みなおす灰
坂の途中えいやと横を見やるとき眼下に連なるとりどりの光
まぶしいなぁついこないだはピンクだった君の二の腕夏色になり
「引退」の二文字にはまだ数十年早いと生意気言わせてください
ソフトクリームを舐める少女の指に溶ける一筋ダディに求める救済
知らぬまに魔法の力を借りていた? 空に架かる虹君と眺めた
先輩の背中を見てきたこの月日はかない縁か いえこれからも
アドレスは仮にそこだとしておいて迷子になりたい5日間ほど
いまこことあの日の式が一本につながっているそれで充分
「ただいま」とついその名前を呟く家きみはいなくとも飾られる首輪
友の知る妊娠出産子育てがかつてまぶしく今は近しく
縄のようにあみこむ想い投げあげて空に届いて君へ伝われ
言い訳はしたくもないし聞きたくないけれど君とはつながっていたい
悔みつつけれどもうひとつピンと来ず原因はやはり災いの指
まっくらやみ あなたの文字のソムリエのようになりたいこんな夜には
逢うことの「意味」や「頻度」や「必要」がふわりとびゆく塩からい風に
定期的に自分の意思を警邏するこのままでいい?まだ大丈夫
常識を一歩ずつすり合わせたいそう思える大事なひとです
終幕に何が待つのか印籠で落ちる筋書き5月の期待